1425 遷都くん

 先日、某資格試験を受ける機会があった。その内容はここで書いても誰の興味も惹かないようなものなのでどうでもいいのだが、ちょっと気になることがあった。

 試験前にあれこれと説明があり、時間までは絶対開くなということで試験問題が配られる。だから開くことは出来ないが、問題用紙の表紙には、老婆心ながら、マークシートはこうやるんですよ的な例題が書かれている。

 しかし、その例題が驚くべき内容だったのである。一言一句は覚えていないが、このような設問であった。

「問 次の中で、日本の首都として正しいものはどれか。 1.札幌 2.東京 3.大阪 4.京都」

 なんとこれは!明らかに今の東京が首都として「正しい」かどうかを問うているのである。首都はどこかと聞いているのではないのである。ならば、真摯に考えようではないか。

 この場合、札幌と大阪は4者択一にするためのダミー都市であって、考慮の必要はない。設問が「首都としてふさわしいか」ということなら一考の余地はあるが、首都として正しいとは考えられない。

 では東京か京都になるわけだが、江戸時代までは「首都」という表現は使わなかったにしろ、朝廷が京都にあった以上、首都は京都であったといっていいだろう。問題は、いつそれが東京になったかということなのである。

 歴史に詳しい人ならば、アレ?と首をひねることだろう。そう、東京に遷都したという歴史的事実は存在しないのだ。明治維新のゴタゴタの中で、天皇が東京に行幸され、なんとなく今まで居座ってしまったというのが現状なのである。

 だからこそ、首都として正しいかどうかという設問があり得るのだ。例題では特に説明もなく正しいのは2番であるとして、マークシートの塗り方の説明に入っていたが、ここは詳しい解説が必要な部分であろう。

 なし崩し的に、もうずっと東京に住んじゃったからいいんじゃない?という、半ば諦めの気持ちも抱きつつ、東京が首都として正しいと言うべきなのか。それとも、「首都」の定義が、朝廷の存在とは無関係になってしまったとでも言うのだろうか。

 私としては、遷都していない以上、首都として「正しい」のは京都であると考えている。もちろん、現在の司法・立法・行政などの活動の中で東京に首都の機能があり、内外にも認められてはいるが、それはあくまでも「誤った」首都なのである。


●記録者 上野大樹
●記録日 2009/2/3(火) 22:48

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