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私とコンピュータ その2
高校に進学してしばらくしてから、電卓を購入した。何故買う気になったのか思い
出せないが、結構安価になったせいもあろう。四則演算と%計算にメモリが1個だけ
というごくつまらないものだったが、私には非常にすばらしいものだった。これを使
って自然対数の底eを算出したりして遊んでいた。あとは、皆さんよくやったと思う
のだが10秒間に何回キーを押せるかを競うゲームである。やってみると、4、50
回程度の答が出て、意外に速いなと悦に入っていたのだが、すぐに友人はもっと速い
事を発見した。一緒にやっていると、キーのスピード自体は私の方が速そうなのに、
結果は友人の方に軍配があがるのだった。結局私の電卓がキー入力の取りこぼしをし
ているのが判明し、この電卓の価値は地に落ちた。買い替えを決意し、この四則しか
出来ない電卓は同級生の女の子にくれてやってしまった。
次に購入したものは、関数が付いているものだった。シャープのエルシーメイトの
中でも天才電卓ピタゴラスというものすごいネーミングの一品である。保証書を見る
と昭和53年1月6日に買ったとある。恐らくお年玉で買ったのだろう。実用のため
に買うのではないから、楽しめる機能がいっぱいついていなければならない。簡単に
言えばキーの多い物を買えばよいことになる。懐具合と相談して、電気系統の計算機
能が付いたものにした。低電力蛍光表示管を使用しているため暗闇でも表示が見える
が、無論キーは見えない。関数電卓をブラインドタッチで使えればすごいのだが、何
のメリットも無いか。とりあえずこの電卓でいろいろ遊んでいたが、これもキー入力
が速いと計算が追いついて来ないようだった。それでも関数が豊富なので喜んでいた
のだが、ある時致命的な欠陥が発見された。なんと、arccos(−1)がπにな
らないのだ。これは仕様なのかもしれないが、明らかに間違いである。その上友人の
電卓ではきちんとπになるため、またもや買い替えを決意した。
高校時代最後に買った電卓もシャープのピタゴラスで、同じく蛍光管表示のものだ
ったが、これにはラーンモードという画期的なシステムがあった。ラーンモードとは、
数個の変数を含む数式を記憶させ、何度もその変数に数字を代入して計算できるもの
である。プログラムのはしりみたいなものだ。無論、逆余弦(−1)がπになること
は言うまでもない。このクラスになると、関数も充実していて、現在使用しても全く
違和感無く使えるモデルである。スピードも十分で、10秒間に押すキーの数をカウ
ントしたら簡単に100を越えた。
結局、高校時代はこの3台の電卓だけが計算機との接触であり、やはりコンピュー
タなるものは全く知らずに過ごしてしまった。
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