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私とコンピュータ その7



 1350を買ってから、コンピュータ関係の雑誌も買うようになった。その頃ポケ コンの記事が必ず数ページ載っていたI/O誌である。雑誌に載っているプログラム を打ち込んだりするのだが、そのうちにマニュアルに無い命令があるのを知った。 PEEK・POKE・CALL等である。メモリを直接いじる命令ということで危険 を感じていたが、そのうち全てマシン語のプログラムが雑誌に掲載された。ページの 半分が16進数で埋まっていた。メモリを直接いじる事にかなりの不安を抱いていた 私は、この記事を何度も読みながら打ち込むべきかやめるべきか迷っていた。入力す るにしてもPOKE文で1行づつ入れて行くのだから手間はかかるし、それで失敗し たときのダメージは大きいはずだ。しかし、さんざ迷った挙げ句入力する事に決めた。

 仕事の合間にコツコツ入力して、意外に早く作業は済んだ。このプログラムを走らせ てみると、地面がスクロールする上に自分の操縦する機体があり、地面からの攻撃を かわしながら構造物を破壊しつつ進んで行くという、その頃流行のTVゲームを真似 したものだった。マシン語で動くそれは、今までのBASICの世界のグラフィック の動きとは、明らかに別物だった。リアルタイム・スクロール・シューティング・ゲー ムがポケコンで実現しているのだ。これに感激する一方で、マシン語という未知な分 野が現れたので、これが一体何物なのか知る必要があった。単なる16進数の羅列で はあるが、それを理解している人間が存在しているのは間違いないのだ。

 そうして書 店を探してみると、ちゃんとポケコンのマシン語の解説本が売られているではないか。 私は早速その本を購入して読んでみた。『インストラクションセット、これだな・・。 ん?インクリメント?デクリメント?イミディエイトロード?こんな命令で何をやれ というのだ?』何となく意味は分かるが、それでプログラムを組むなどという事は1 円玉を積み上げて高層ビルを作るようなものと思われた。あー、バカバカし、飲んで 寝よ。

 その頃私に酒を飲む習慣が無かったら、もう少し詳しくマシン語について勉強して いたかもしれないが、現実はこんなものだ。



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