名付考

魂の緒もゆらに その1 〜黎明編〜



 平成4年1月、まだうちの娘が男か女かもわからなかった頃、産院で性別が判明してしまう前に男と女の両方の名前を決めようとやっきになっていた(それが私の、現代医学に対するささやかな抵抗だ)。妊娠が分かった頃には、両親とも31才での子供になるから「三十一」と書いて「みそひと」だとか、紀子様の子供が真の子と書いて「真子」様だから、庶民の子は偽りの子と書いて「偽子」にしようなどと言っていて、もっぱら「みそひと」と呼んでいた。しかし、いつまでも「みそひと」などと呼んでいて定着しても困る。早く正式な名前をつけねばならない。当初は呼び易い名前がいーねー、などと結構安易に考えていたし、あまり凝った名前を付けるよりもいいと思ってもいた。

 何となく最初から考えていたのが「玉緒」という名前である。この名は以前から知っていたし(以前勤めていた会社にもいた)芸能人にもいるが、私の心にあるのはYAWARA!の柔ちゃんのお母さんの名である。「玉の緒」、言い替えれば「魂の緒」、命の源みたいな名前で気にいっていた。

 なんとなく気にいってはいたが、一応いろいろ考えてから決めなくてはならない。自分の子供の一生の問題でもある。それにしても考えていると女性名ばかり、それもアニメやらアイドルやらの名前が妙に頭に浮かんでくる。そういう名前はかわいいのが多いからいいとして、とにかく結論を出さねばならないのだ。



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