名付考

魂の緒もゆらに その5 〜決断編〜



 その後机の上のメモを妻が見たらしく、翌日「もゆら」の字の下にコメントが書かれていた。「モスラ?」と一言・・。いや、あのね・・・別に東京タワーを倒そうとか、そういう野心は無いんで・・・。私は古事記と古語辞典から得た知識をしどろもどろながらに説明した。妻は「さやかって意味なら『さやか』にすればいーじゃん」などと言っている。いや、それはもう考えたのね、伊藤さやかちゃんも、そりゃぁいいんだけど・・・(別に伊藤さやかは関係ないのだが)。しかし、妻も反対ではなかったのか今度は別段ダメとは言わなかった。その後は多少考えたが他に候補も出なかった(というより真剣には考えられなかった)。結局は「もゆら」に対する私の思い入れが大きくなっていたのを妻は察していて反対しなかったのかもしれない。

 それから、何度も「もゆら」と唱えてみつ、書いてみつ、寝てみつ(これは無いか)、反趨してみる。自分自身では非常に好ましいと思えるのだが、第一印象として聞いた場合かなり刺激の強い名前のようでもあって、決めかねていた。そして、その頃よくシーガルでチャットをしていた若い女性に聞いてみることにした。こういう場合、少し世代の違う人の意見というのは重要である。最初に名前だけ言うと、案の定「なんかものすごい名前」と言われてしまったが、古事記から取ったなどと出典と意味を説明したら気にいってもらえたようだ。「もゆちゃん」って呼ぶとかわいいなどと言われ、このあたりでほぼ気持ちは決まったように思う。

 漢字を当てた方がいいという意見が多かったので少し考えたが、無理に漢字を当てると意味が変わってしまうので平仮名の方がいいようである。元々、平仮名は漢字から派生したのではあるけれど、文字が無い頃の国語を表現するには、表音文字の方が適しているのではないか。それに平仮名の名前って、女の子らしくていーじゃん・・。



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